両親はどうやって結婚を決めた!? 新婚女性2人が聞く親のプロポーズエピソード
両親の出会いやなれそめについては聞くことがあっても、意外と知らないのがプロポーズのエピソード。普段は「照れくさい」と答えてもらえなくても、子どもが結婚するタイミングなら話してくれるはず......。ということで、2人の新婚女性に両親のプロポーズエピソードを聞いてもらいました!
CASE1: いつの時代も心強い!? 親の一言で彼氏から夫に
まずご両親に当時のプロポーズの話を聞いてもらったのは、新婚1年目の雪さん。彼女自身がプロポーズをされたタイミングは、なんと区役所に婚姻届けを提出した夜。新居に帰宅後、「あの......、プロポーズをするタイミングを考えていたら、今になりました。結婚してください」とピアスを差し出されながら、プロポーズを受けたのだとか。
▲雪さんがプロポーズ時に受け取った思い出のピアス
婚姻届け提出後に、サプライズな事後プロポーズを受けた彼女に対し、お母様はどのようなプロポーズだったのでしょうか?
雪さん(以下、雪):そういえば、ふたりのプロポーズ話って聞いたことがなかったよね。私も結婚したから聞きたいな!
雪さんのお母さん(以下、母):そうねぇ、どこから話せばいいのかしら......。お付き合いしているときに、青山のバーでお酒を飲んでいたら、叔父がよく通う店だったらしくてね。運悪く見つかっちゃったのよ(笑)。
雪:親族に見られるのは気まずい! ちなみに親にはお付き合いしていることを言ってなかったの?
母:言ってなかったのよ。それなのに叔父さんときたら、さっそく面白半分で父にデートのことをバラしちゃって!! おかげさまで次の日、緊急家族会議よ。彼氏がどんな仕事をしているのか、どこに住んでいるのか根掘り葉掘り聞かれた後に「結婚を考えていないなら、付き合っても無駄だから別れなさい」と言われたの。
雪:デート現場を見られただけなのに?
母:私には社会人になっても門限があってね。その日はデートってことを内緒にしつつ、門限を引き延ばしてもらっていたのよ。
雪:あらー......。私のときと似ているね。私も彼との同棲の話をしたら、「同棲するなら結婚しなさい、結婚しないなら同棲はやめなさい」と言われた。
母:いつの時代も親は、子どものことが心配なのよ。今になって、当時の両親の気持ちがわかったわ。もちろん悩んだし、親に対する反抗心も生まれた。けれど、ふたりが言いたいことも納得できたのよね。
雪:どんなこと?
母:私は当時27歳で、今と違ってすでに同世代で結婚している人が多かったの。心のどこかで、そろそろって気持ちもあった。だから、別れる覚悟をしながら、思い切って結婚するか別れるか聞いてみたら、「結婚する」って答えてくれたの。
雪:おお。それでプロポーズの言葉は?
母:あると思う? この前、雪の結婚式が終わってから、私たちの結婚の話になったのよ。そのときお父さんに、プロポーズのことをあらためて聞いたら、「あのとき結婚したいとは考えていたけれど、プロポーズまで頭が回らなかった」って......。
▲雪さんの花嫁姿を見つめるお母様
雪:お父さん......。
母:だから、世間一般で言われるプロポーズ像に憧れがあるわ。私たちのときは、リングケースをパカーッと開いてからの「結婚してください」がスタンダードだったけど、私もされたかった!
雪:すごくわかる。私もそんなプロポーズを夢見てた。今でも誕生日のたびにサプライズで祝ってもらうのを勝手に期待して、撃沈してる(笑)。事後プロポーズは驚いたし、気持ちはすごくうれしかったけれど、感動! というよりは「なぜ今?」っていう面白みが大きかったな。
母:言う本人にとってはどんなときだろうと、同じ言葉、同じ気持ちで伝えているつもりかもしれないけれど。言われる側は、タイミングによっては、素直に受け取れないときってあるのよね。難しいものねぇ。
雪:私たちは結局、お父さんとお母さんの一押しのおかげで結婚に至ったのだけれど、それが原因で男性側がタイミングを逸してしまったのもあるのかしら。
母:でもそこで一押しがなかったら、多分ズルズル付き合いが長引いていたと思うけどね。最近は女性からのプロポーズもあるというけれど、男性女性関係なく、結婚願望と意志の強い人が、自分のタイミングで気負いなく言えるのはうらやましい。
雪:うーん、今まで不満を言ってきたけど......確かに、私もその選択肢を選ぶことができたはず。でも慣例に甘えてしまったし、「彼から言ってもらいたい」って乙女な気持ちを捨てられなかったし、私から言って彼に断れることを想像したら怖くて言えなかった......。
母:相手の本音を聞くのは、どちらにとっても怖いことよ。私も雪も、誰だってプレゼントされるほうがうれしいからついつい相手に期待しちゃうけれど、どちらからでもプロポーズしていいって慣例化すれば、双方納得できるのにね。
雪:つまり、お母さんは自分のプロポーズに納得していないと。
母:私のときは男性が女性にプロポーズするのが当たり前だったから。時代のせいにしちゃうけれど、ちょっと残念って気持ちがあるわね(笑)。だから今からでも、結婚何周年かの記念日にプロポーズしてくれたら、うれしいかも。
雪:お互い結婚してよかったねって、何度も確認し合いたいものよね。
華やかなプロポーズシーンを思い描いていたのに、両親の愛情ゆえに、親子二代でプロポーズなしの婚約を経験してしまった雪さんとお母さん。ふたりの悩みは、もし三代目にしかるべきタイミングが来たときに口を出すか出さないか、とのことです。
CASE2:30年前のデキ婚! 妊娠報告の翌朝に義父がやってきて......
次に話を聞いてもらったのは、エミさん。ご自身は2018年の秋に、人生初の彼氏とめでたくご結婚されました。プロポーズの場所は、京都を一望できる大文字山。「大」の字のてっぺんでされたそうです。
そんなエミさんのお父様・お母様は、どんなプロポーズだったのでしょうか?
▲台風「コンレイ」がやってきた日に結婚式をあげたふたり
エミさん(以下、エミ):お父さんとお母さんって、プロポーズはどんなのだったの?
エミさんのお父さん(以下、父):プロポーズは、なかったな。
エミさんのお母さん(以下、母):なかった。
エミ:な、なかったの~!?
母:そうそう。「付き合おう」も「結婚しよう」もなかったね。
エミ:「付き合おう」すらなかったの......!?
父:うん。もともと友だちの紹介で出会ったんやけど、俺とお母さんをくっつけようと、デートをセッティングしてくれてね。で、それからなんとなくずっと一緒にいた感じやから。
エミ:なんかすごいクールだな! じゃあ、結婚のきっかけは何だったの?
父:一緒にいて8カ月くらいのタイミングで、お母さんが妊娠3カ月ってことが発覚したんや。
エミ:めちゃめちゃデキ婚じゃん。しかも結構早い段階の。
母:そうよ! 「付き合おう」の言葉もなかったから、自分たちが付き合ってるかどうかさえもわからない状態でよ。
エミ:そうか。じゃあ、子どもができたってわかったときは不安じゃなかったの?
母:そこで変なこと言わない人やとは思ってたけど、ちょっと考えたかな。産むとなったら、結婚やん。ふたりの状況がガラッと変わるわけやから、「これからどうなるんだろう?」って考えはしたねぇ。
エミ:当時のお母さんって、今の私より3つ年下だよね。若かりし頃の母を思うと、涙が出そうになるな......。妊娠がわかってからは、どうしたの?
母:妊娠がわかったその日、お父さんと一緒に晩御飯を食べているときに報告したんよ。「妊娠したみたい」って。
エミ:ほんで?
母:お父さん、「わかった、じゃあ結婚やな。両親に報告するわ」って言ったの。
エミ:えっ、そこで「結婚してください」じゃなくて?
母:そんなんはなかった。
エミ:ないのかーーー! アッサリしてるなぁ。
父:そんで、お互いその夜家に帰って、両親に「妊娠した」って報告したんやんな。
エミ:怒られなかった?
父:怒られなかったなぁ、めでたいことやしね。でも、俺の父親が「謝りにいかな! 明日行くから、彼女の住所教えて!」って、翌朝お母さんの家へあいさつに行ってくれたよね。
母:お義父さん、朝の8時半ごろにうちに来くれたんよねぇ。私と父親はもう出勤してたから、母親が対応して。
エミ:うわー、なんか昭和っぽくていいなぁ! 菓子折りとか持って行ったの?
父:そうやったんちゃうかな。
母:でも、あれは驚いたなぁ。私、お義父さんに会ったこともなかったし。
エミ:そっか、まだ親にも紹介してなかったのか。「子どもできた」って言ったら、おじいちゃんもおばあちゃんもビックリしただろうなぁ。まず「彼女おったんかい!」ってなるでしょ。
父:いやそれがね。当時子どもの交友関係は、ある程度親が知ってたんよ。携帯がない時代、やりとりは全部家の固定電話だから。
エミ:あーーー! そっか!! 「◯◯といいます、◯◯くんに替わってください」とかがあるわけか。
母:そうそう。だからだいたい、交際相手も親が把握してたよね。
エミ:うわー! 今じゃ考えられない話だなぁ。
▲若かりし日のご両親。美男美女!
エミ:じゃあ、ふたりのプロポーズはなかったわけだけど、お母さんはこうやってプロポーズされたいという願望はあった?
母:今考えたら、サプライズはしてほしかったかな~!
エミ:やっぱそういうのしてほしかったんだ!!
母:具体的なイメージはパッと浮かばないけど、してほしかったわ。お父さんからサプライズ。
父:そんなん嫌やわ、カッコ悪いやん! 普通に言うわ。
エミ:でもふたりって、子どもができたから結婚に踏み出したわけよね。もしも子どもができてなかったら、ふたりは結婚してなかったのかな。
母:それはわからへんなぁ。
父:俺はこの時間の延長線上に、結婚があるだろうなとぼんやり考えてたよ。要するに、子どもができたおかげで、プロポーズのタイミングを逃しただけ。
母:ほんまかなぁ。
父:ほんまやって! 俺はお母さんを初めて見たとき、「あ、結婚するな」って思ったからね。
エミ:そんなん思ってたの!? 直感で?
父:うん、直感で。
エミ:す、すごいなぁ......。お母さんもそんなのあった?
母:私はなんともなかったね。
エミ:なかったんかい!
父:やっぱり、お母さんといると楽しかったしね。だから子どもができなくても、俺はそのうちお母さんにプロポーズしてたと思うよ。
母:サプライズのやつ?
父:普通のやつをね。
男気はありつつ、やはりシャイなエミさんのお父様。「俺は出会ったその日から決めていた、結婚しよう」の一言があれば、お母さんはなおうれしかったに違いありません。しっかりとプロポーズされたい女心はいつの時代も共通のようです。
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いつの時代も何年経っても、ふたりにとって色あせることがないプロポーズ。少し恥ずかしくても、勇気を出してプロポーズすれば、それはきっと一生心に残る大切なエピソードになります。大切な人を喜ばせたいけれど、どうしていいかわからない! と迷っている人は、プロポーズプランナーへ相談してみてくださいね。
(企画・編集/ノオト)
トランジットデザイン編集部
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