待たせ、不安にさせた彼女に精一杯の気持ちを込めて。

大学でひとつ下の学年の後輩だった彼女と、社会人になるタイミングで付き合いはじめました。営業の部署でとにかく毎日のように飛び回り、日本中を駆け巡る日々が続きました。毎週金曜日の夜に羽田空港で待ち合わせをして、一緒に横浜へ帰るのが楽しみでした。週末、一緒に過ごせるだけでもありがたいと思いつつも、次はどこに行くのか、地方の支社へ転勤する可能性はないか、と少なからず彼女に不安を抱かせていることが申し訳なかった記憶があります。しばらくして地方の支社への転勤が決まり、マネージャーとして責任のある立場となることができました。仕事にやりがいを感じ、がむしゃらに働く日々が続きました。今まで以上に忙しい日々が続きましたが、毎日電話やSNS、Skypeのカメラを使った会話のやり取りはかかさず続けていました。やはり自分には彼女と一緒に幸せに過ごす時間があることが、何よりも大事なんだと再確認できたんです。

 そして、付き合いはじめの頃に「25歳までにウエディングドレスを着たいな」と教えてくれた小さな夢を叶える為に、帰る決意をしました。タイミングよく、元々希望していた企画職への異動の話があったので希望を出し、東京本社へ戻る準備とプロポーズの準備を進めました。彼女にあげたい、と思う指輪を散々悩んだ挙句に何とか決めて購入し「11月22日は有給を取っておいて!」と彼女に伝えました。いつまで経っても忘れない日に、最初のデートの場所でプロポーズを、と精一杯デートコースを考えて、帰ってきました。すっかり定番のデートコースに、ディナーだけはホテルの高層にあるレストランで食事をして、観覧車で指輪を渡す予定でした。

 が、食事の後に向かってみると午後8時で観覧車が止まってしまっていました。途方にくれていたところに、彼女があっちへ行こうと提案してくれたのが最初に告白をした時のベンチでした。もうここしかないな、と思って彼女をベンチに座らせて、片ひざをついて指輪の箱を開けました。「今までずっと、心配ばかりかけてごめんね。ずっと僕のことを気遣って、仕事を応援してくれて本当にありがとう。君と一緒にいれたから、今まで幸せでした。これからもずっと一緒にいたいから、結婚する為に帰ってきたよ。もうどこにもいかないから、ずっと一緒にいよう。僕と結婚してください」特別な演出や言葉は特に用意できませんでしたが、精一杯の気持ちを込めて渡した指輪を受け取って、彼女は泣いて喜んでくれました。

 1年後、アニヴェルセルみなとみらいで結婚式を挙げてフラワーシャワーをした時に「ベンチ見えるかな」とふたりで探したのもいい思い出になりました。

MRさん (20代・男性)

■「みんなのプロポーズ」著作権について
本記事の著作権はアニヴェルセル株式会社に帰属いたします。
■2次利用について
2次利用のご希望は「みんなのプロポーズお問合せ先」までお願いいたします。