迷って、ホワイトボードに書いた「OKです!」

 付き合い始めは20代。私からの告白でした。出会って1ヶ月もたっていないのに、なんかビビッときたんですよね。バレンタインの雰囲気に後押しされ、告白。見事成功。天にも昇る気持ちでした。30代で同棲を始め、もう私も40代......。10以上の結婚式に出席し、たくさんのブーケをもらい、そのたびに「次はあなたの番」と言われ。まわりは「フランス婚(事実婚)だね、かっこいいじゃん」なんて言ってくれるけど、いろいろややこしいし、正直そんないいもんじゃないよ......と思っていました。

 このままずるずると付き合うか、それとも別れるか......。でも「結婚」がしたいわけじゃなくて、この人と一緒にいたい。ぐるぐると考えながら迎えた つきあって15年目の記念日。いつもは特にお祝いもしていなかったのですが、めずらしくホテルのレストランを予約したとのこと。前にも誕生日にサプライズでホテルのレストランに連れてってくれたこともあったし、付き合いはじめて時間が経ちすぎて、正直プロポーズの事なんて頭の隅にもありませんでした。レストランで食事をしていると、途中で手紙を渡されました。

 が、私、食事に夢中で。彼は割とマメにメッセージカードや手紙をくれるほうだったので、きっとまた私への日頃の感謝の言葉的なヤツだな、目の前で読まれても照れるかなと思い「あとで読むね~」と手紙を持ち帰ってしまったんです。帰って今日の食事の感想などを話したりして、明日仕事で早い彼の方が先に寝てしまいました。荷物を整理していて、ふと手紙の事を思い出しました。ごそごそとだしてみると、可愛らしい子犬の便箋。「メルヘンやな~」と思いながら開いてみると、そこへは私の思惑通り、日頃の感謝の言葉と......「結婚しよっか」の一文が......。「はあぁ~!?」思わず夜中に叫んでしまいました。一瞬なにが起こったかわかりませんでした。目の前に彼はおらず、指輪もなし。私の知ってるプロポーズは指輪の箱「パカッ」とかシャンパンの中に指輪「プカッ」やで!! その日はなかなか眠れず、仕事で朝早い彼をおこす訳にもいかず......。さんざん迷って、冷蔵庫にはってある伝言用のホワイトボードに「OKです!」と書いて寝ました。

 後日、彼に聞いたのですが、プロポーズにあたりかなり悩んでいろいろな人に相談したそうです。その中で手紙案を採用したのだと。プロポーズには絶対指輪やろ! と思ってた私にはかなり肩すかしなプロポーズでしたが、一生懸命考えてくれたことはうれしく思っています。それにしても、相談に乗ってくれた人に伝えたい「覚えとけよ」と......(笑)。

あきおさん (40代・女性)

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