笑顔をずっと見ていたいから、決心の水上プロポーズ。

 僕らが付き合い出して初めての旅行の場所は伊豆。暑い夏の日に高原でのんびりすることが目的でした。どこに行こうかケンカしながら進めた企画は本当に楽しくて、渋滞を避けるために綿密に立てたスケジュールに穴は見当たりませんでした。「どんな所を回ろうか?」僕の問いに彼女は「んー、任せるけど、海もいいし、山もいいよね」といつもの調子。正直これを見越していた僕は秘密でプランを練り直しました。緑が鮮やかな大室山に登り、海岸線をドライブしてからの美味しい海鮮丼。ここまではふたりの計画通り。ここからがサプライズプロポーズのはじまりでした。

 まずは彼女の好きな曲を鳴らすオルゴールを作りに伊豆のオルゴール館へ。喜ぶ彼女にプレゼントしたのは世界にひとつだけのオルゴール。車中でもずっとオルゴールを聴く彼女は本当にかわいかったです。さて、次こそが本番のプロポーズ。僕はひとり緊張していることを隠しながら伊豆の瞳と呼ばれる湖、一碧湖に車を向かわせました。彼女の手を引き定番のアヒルボートをレンタル。正直この時点で頭の中は真っ白でした。もしビビって言えなかった時のことも考えて保険をかけてありましたが、そこは男の子です! しっかり考えてきた言葉を伝えようと思いながらボートに乗り込みました。楽しそうな彼女を横目にこぎ出したボートは僕の鼓動を表すように走りだし、綺麗な水上鳥居を眺めながら、ふと目が合った時。僕は人生で初めてプロポーズしました。

 「笑顔の君が好き。だから結婚して下さい。僕の横でずっと笑っていて下さい。いいですか?」リングは式でつけてあげたいと思っていたのでダイヤのブレスレットをお供にして。驚く彼女に「え? もう一回言って!」とボケられましたが、それも僕らの良い思い出です。まさかの2度目のプロポーズで返事はもちろん「はい」ふたりで照れながらボートを降りて、僕からぎこちなく手を繋いだ時の彼女の表情は本当に綺麗でした。この娘と一生をともに生きられることが心からうれしかったです。

 ちなみに、もし湖でプロポーズできなかった場合は宿泊先のペンションで夕食後にサプライズケーキを用意していました。それをきっかけに言葉を伝えようと思っていたのです。ケーキのプレートにはもちろん「ぼくと結婚して下さい」結局これも披露し、おかしな話ですが人生初のプロポーズは彼女からのリクエストで3度も伝えることになりました。こうして笑いと驚きで彩られた僕らの初めての旅行は幕を閉じました。

 今思い出しても、あの時の緊張は半端じゃなかったです。しかしながら、あんな緊張でガチガチだったプロポーズを受け入れてくれた彼女には本当に感謝です。これから先もケンカをしたり、笑うのが難しい時ももちろんあると思いますが、ぼくは彼女の笑顔に惹かれました。できることならば、ずっと笑っていてほしいです。その為に僕にできることは全力で取り組もうと思います。そして、いつも笑いの絶えない家庭をふたりで作っていきたいと思います。以上、こんな決意ができたプロポーズのお話でした。

ポンコツの旦那さんさん (20代・男性)

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