理想とは違ったゴツイ指輪、その意味とは......!?

 12月30日、私が友人とご飯に行った帰りのことです。時間はもう23時すぎたころ。東京から電車で埼玉の家まで向かっていたところ「途中の駅まで迎えに行くよ。まだイルミネーションやってるみたいだから、見に行こう!」と、突然連絡がきました。私は、こんな時間にわざわざ珍しいな、もしかして? と少しだけ期待する気持ちもありつつ、途中下車して彼を待つことにしました。「2015年中にプロポーズしたい」という話をうっすら聞いていたものの、あと2日で今年は終わり。「さすがにもう今年はないだろう、来年の記念日か、誕生日かな?」と思っていました。

 少しドキドキを感じながら、ふたりのお決まりの場所で待ち合わせをして、イルミネーションへ。 夜中なので人はほとんどおらず、温かいココアを飲んでおしゃべりしていると、時間は0時を回りました。「すると、ちょっと座らない?」と彼。ドキドキが高まる私に、今までのいろいろな思い出や感謝の言葉を伝えてくれました。うれし泣きをする私の隣で、彼はカバンをごそごそとあさり、黒い小さな箱を取り出しました。心の中で「どこで買ってくれたんだろう。いつの間にー!?」という想いがぐるぐるする中「結婚してくれませんか?」という彼の声とともにぱかっと開けた箱の中には、夢にみた、あの一粒のきらきらしたダイヤの指輪......、ではなく、なんだかやたらとゴツい指輪。暗くてよく見えないけれど、なんだろう、シルバーの装飾がたくさん付いているように見える。ダイヤが付いているような様子は感じられない。思わぬ展開に、私もすんなりお礼が言えず、涙もぴたっと止まって「あ、ありがとう」という微妙な返事。

 箱の中に紙が一緒に入っていました。「なんだろう?」と思って開くと、そこにはなんだか見覚えのある指輪の絵が。その絵は、半年以上前のこと。一緒に寝ていた時に、私は彼にプロポーズされた夢を見ていました。プロポーズされてうれしい気持ちの反面、その時もらった指輪があまりにも変なデザインで、とても動揺してしまったという夢。私は起きた瞬間、夢の内容を彼に伝え、今なら描けるから紙とペン持ってきて!とお願いし、本当におかしな指輪の絵を見てふたりでケラケラ笑っていました。そんな夢を見たことも、絵を自分で描いたことも、私はすっかり忘れていました。彼はその絵に描かれた指輪を再現し、手作りの指輪を作ってくれたのです。実物で見ても、改めておかしな指輪に大笑いしつつ「よろしくお願いします」と返事をしました。彼の手作りエピソードを聞きながら、幸せいっぱいで2015年の締めくくりとなりました。

 後日、正式な婚約指輪を一緒に選び、2つの指輪は私の大切な宝物です。

らむさん (20代・女性)

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