苦しい状況の中、きちんと伝えてくれた彼に感謝。

 もともと彼の実家は、お母さんと祖父母の仲が悪く、2世帯で住んではいましたが、顔も合わせなければ、お互いの悪口をいうような仲でした。

 そんな中、彼のお母さんがそのうち私たちが結婚するでしょうと早まり、新しく家を建て直そうと話をしたのです。戸惑いながらも、一緒に住宅メーカーに足を運んでいました。もちろん、その新しい家には祖父母の部屋もあったので、祖父も了承しており「口ではなんやかんや言いながらも、家族なんだよなー」と思っていました。ところが、祖父が急に「やっぱり、苦労して建てた家を潰したくない。他に建てるならいい」と言ってきかなくなりました。せっかく距離が縮まったのかと思っていた矢先で、どうなるんだろうと考えました。そんな発言に、彼のお母さんはまた機嫌を損ねてしまい、祖父を抜かした家を他の土地に建てると言いだしたのです。そうなると、高齢の祖父を置いて新しい家にいくことになる。これは、私にとってとても苦しいことでした。「祖母は施設に入っている為、実質ひとり暮らしになる。とてもさみしいよね。自分の子供や親戚までも一緒に育てた大家族のじいちゃんが、急にひとりで暮らすなんて、そんなことはできないんじゃないか」と。「じいちゃん孝行だと思って、私たちだけでも一緒に暮らしてあげない?」そう彼に打ち明けました。すると、彼も気がかりだったようで、それでもまだ結婚もしてない子にこんなことを言ってもいいのかと、悩んでいたそうです。ふたりの気持ちが一緒だということで、彼の両親にその旨を話すと、お母さんが祖父の肩をもつのかと怒ってしまい、それ以来、彼のご飯も作ってくれなくなり、会話もなくなってしまったそうです。そんな状況に心を痛めながらも、彼が健気に明るくふるまってくれ、ふと影を落とす姿をみては、私が言い出さなければよかったのかと、想定外の最悪の状況に頭をかかえていました。

 そんな中、休日だったのでまずは彼の元にいなくてはと車を走らせ彼の家へと向かいました。いつも通り駐車場に着くと、「着いたよー」のLINE。しばらくすると、彼が現れるので「今日は元気かな?」とそわそわしてると、大きな花束を持って現れたのでした。頭の中は「???」だらけで、何のことかわからなかったのですが、彼が「家がこんな状況でごめん。でも俺とずっと一緒にいてください」と言ったのです。気づけばその日は付き合った記念日。以前からこの日にプロポーズしようと決めていたという彼。まさかの状況だったけど、気持ちは延期したくなかったということ。強面でサプライズが苦手な彼がしてくれたこともあり、こんな状況だからこそ、彼を支えなきゃと「当たり前でしょ」と返事しました。

 その後、祖父と3人暮らしをしていますが、彼の両親とも仲良い関係を築けています。あの時、ちゃんと言ってくれたからこそ、自分たちの決めた道をしっかりと歩んでいけるんだなと感謝しています。

みおぽんさん (20代・女性)

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