手紙に添えられた、幸せのチケット。

 当時、大阪にいる彼と千葉の私は遠距離恋愛をしていました。その年に東日本大震災があり、自分に大きな被害は無かったものの、ふたりの将来を見つめ直していた時期でした。

 5月のある日、彼が大阪から来てくれ、行きたかった山梨県の芝桜を見に訪れました。「もしかして、満開のお花をバックにプロポーズ?」なんてソワソワしていましたが、特に何もなく、デートを楽しんで帰ってきたら、鞄からそっと小さな箱とお手紙を出してプロポーズをしてくれました。「これからもずっと一緒にいたいから、結婚してくれませんか」シンプルな言葉だったけど、彼の素朴で優しい人柄が表れていてとてもうれしかったです。その時渡されたのはネックレス。好きなブランドの物で、とってもうれしかったけれど「婚約指輪じゃないんだ」と、その時はほんのすこし残念な気持ちになりました。

 翌日、彼が大阪へ帰る新幹線を見送った後に、プロポーズで一緒にもらった手紙を開いてみると......。彼の言葉でプロポーズについての気持ちが綴られていました。本当は、指輪と一緒にプロポーズが夢だったのは知っているけど、どうしても一緒に選んで希望の物を買ってあげたかったこと、だからネックレスはその代わりの「婚約記念のネックレス」だということ、そして、手紙の中には一枚の紙が......。それは「婚約指輪が買える券」でした! パワーポイントで作ったお札風の券。両家の名前やふたりの思い出の写真、「○○銀行発行、有効期限:無期限、他券併用不可」など注意書きがお茶目に書いてあり、とっても驚きました! 手紙には、「これを使って婚約指輪を買いに行こうね」とありました。直接伝えてくれた言葉だけでも本当に充分に幸せでしたが、その手紙や「婚約指輪が買える券」で、また2度目のプロポーズを受けた気がしました。

 今でもその券は大切に持っていて、見る度にあの幸せな気持ちを思い出させてくれます。優しくて思いやりがあるけど、サプライズなどは苦手な彼が一生懸命考えてくれた温かいプロポーズは今でも私たちの宝物です。

Takehikoさん (20代・女性)

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