偶然と彼の計画が生み出したハプニングプロポーズ。

 付き合って3年記念の日。少し前から「せっかくだから出かけようね! 行き先は考えておくから!」と教えてくれなかったけれど、車を借りてくれた彼。もしかしたらと考えてはいたもののあまり実感もなく、普通に楽しいドライブデートをしていました。着いた先は埼玉の民家にある少し淋しいひまわり畑でした。私が一番好きな曲がひまわりという曲で、昔からの夢だったひまわり畑に行くことを叶えてくれたのです。「6月に咲いている近場のひまわり畑は調べたらここしかなかったんだ」と言ってくれた彼に「想像と違う! もっと広大なひまわり畑に行きたかったから、長年近場の小さなひまわり畑へは行かなかったのに!」とは言えませんでした。

 調べて連れてきてくれたことがうれしかったので一通り見てからお礼を言って車に乗り込みました。でも彼も想像してたものと実際のひまわり畑が全く違かったようで、彼のテンションも少し下がってしまいました。実は少し淋しいひまわり畑へ来る途中にもう少し大きめのひまわり畑のような物が車の中から見えたのです。でも記念日だからと変に気をつかった私はその時言い出せずにいましたが、せっかく探してくれた彼のテンションに申し訳なくなり「さっきここに来る途中にもう少しひまわり咲いてる所あったよ。そこにも行ってみない?」と言ってみたところ「行ってみよう!」ということに。着いてみたら想像以上のひまわりの数と大きさで一気にふたりでテンションアップ!! 「来てよかったねー。淋しい方ので終わらなくて本当によかったー」と言い合いながら車を降りました。

 周りで写真を撮っていたら、彼がやたらと「もう少し中に行ってみようよー」とひまわり畑の中に入ろうとするのです(入っていい畑でした)。「そんなに畑がうれしいのかな?」とか思いつつ付いてて行くと少し開けた空間があり、そこで彼が止まりました。「ひまわりに囲まれて幸せだね、連れてきてくれてありがとう」と伝えたら「もうひとつプレゼントがあるんだ、受け取ってくれる?」と。そこで私ははっ!! としました。「いかん! これはプロポーズされてしまう!」と。プロポーズはされたかったけれど、いざそうなると恥ずかしいやら、どうしたらいいやらで頭がごちゃごちゃしてきて「いい! 大丈夫! 本当に大丈夫! それより早く畑から出よ?」と言ってしまいました。「本当にいいの? いらないの?」と跪こうとしてる彼に「本当に本当に大丈夫! もう充分幸せな日だし! 昨日の雨で土ぐちょぐちょだし! 膝汚れるし! 大丈夫!」と言いうと、地面のぬかるみに対して冷静に判断した彼は「分かった......」と言ってくれて畑を出ました。

 畑の前に地元の物産店があり、そこで何か買おうかと見ていると、お店のおじさんが「どこから来たのー?」と話しかけてきました。「東京からひまわり畑のために来たんです」と言うと、自分がひまわり畑を作ったこと、新聞にも載った事があることをうれしそうに話してくれ「せっかく来たんだから好きなやつ持ってきな!」とひまわりをカットして包んでくれました。さらに、車に乗り込むとおじさんが走ってきて、他のお花とコロッケまでくれて「もう少し先に行くと飛行場があるから行ってみな」と教えてくれたのです。

 その後の予定は特になく、せっかくだから行ってみることに。すると川沿いの広い芝生のある小さな飛行機のところに着きました。私は土手と川が大好きなので、ただただ何もなく広い芝生がうれしくて、ふたりでのんびりお茶をしました。本当に何もないし人もいないので「写真撮ろ!」とセルフタイマーにしてジャンプして撮ったりました。でも遠すぎてよく写ってなかったので、次は彼にお願いして、私は芝生の上で待ってました。すると彼がセットしてゆっくり歩いて来たのですが、セルフタイマーにしたらチカチカするライトが光ってないのです。「光ってないよ! もう一回やって!」と言っていると、私の両手を握ってきました。ひまわり畑に満足しすぎててすっかり忘れてました! 両手を握ってまっすぐ目を見て名前を呼んでくれた後、また跪こうとするので「もう本当にそうゆうのいいよー。大丈夫だよー」と私も芝生に膝付きそうになりながらふたりでわちゃわちゃしていたら、彼がポケットから箱を取り出し「結婚してください」とプロポーズしてくれました。頭真っ白すぎて「もう一回言って?」と言ってしまいました。

 私が跪いて箱をぱかってされるプロポーズに憧れていたこと、レストランなどではなく私の好きそうな所で、「結婚しよう」ではなくて「してください」と言われたかったこと。昔話したことを全部叶えてくれました。ひとしきり喜んでいると彼がカメラを取りに行き「実はムービー撮ってたんだ!」と!! 帰りに汚れた靴を買い直し、大好きなひまわりの曲を聴きながら仲良く帰りました。私にとっては予想外の事ばかりでしたが、彼にとっても予想外続きだったのにプロポーズしてくれて本当にうれしかったです。そしてムービーも記念に残ってとてもよかったです。何度見返しても私の照れ隠しの拒否の仕方がすごくて、ふたりで見返しては爆笑しています。2つ目のひまわり畑に気がついてなかったら、おじさんに会ってなかったら、写真が一発で撮れていたら。 偶然ばかりが重なった結果とても素敵な日になりました。

ぷむさん (20代・女性)

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