1本足りないバラ。その1本は永遠に輝く花でした。

その日は付き合って9年目にして、私たちが初めて一緒に過ごす記念日。彼と私は高校の同級生でしたが、9年間のほとんどは年に1、2回しか会えない、約10,000km離れた遠距離恋愛でした。 「ディナーは素敵なところへ連れて行くから目いっぱいオシャレしてきてね!」そんな彼の言葉を思い出しながら、観覧車が見える待ち合わせ場所へ着くと、スーツ姿の彼がピンクのバラの花束を持って待っていてくれました。「9年間の感謝を込めて、バラを9本……、あれ? 8本しかない……!」焦る彼。サプライズが大好きな私のためにいろいろとがんばってくれるけど、途中でバレてしまったり、詰めが甘いことが多い彼らしくて思わず笑ってしまいました。「もうー、記念日なのにしょうがないなぁ。後でもう1本買い足してもらおっかな」後から思えば、この時からすっかり彼の作戦にはまっていたのです……。これまでのたくさんの思い出をふたりで振り返りながら、みなとみらいのお気に入りのコースを散歩したあと、その場所にたどり着きました。

 「実はね、バラが8本しかなかったのはわざとなんだ」そう微笑んで、片膝をついた彼が取り出した小さな箱に入っていたのは、ダイヤモンドを花びらで包み込むバラの形をした婚約指輪だったのです! 「Will you marry me?」ライトアップされた9本目のバラの輝きは忘れられないサプライズになりました。

 後日談1。そんな夢みたいなプロポーズの後「もう片膝をついてもらうことはないなんてさみしいなー」思っていたのが顔に出ていたようで、今は毎朝出勤前に片膝をついて婚約指輪と結婚指輪をはめてくれています。

 後日談2。先日、プロポーズされた場所が見えるアニヴェルセルの会場で結婚式を挙げました!

J&Mさん (20代・女性)

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