レストランとアルバムに込められた一生分のサプライズ。

記念日のお出かけも終盤に差し掛かり、ふたりで予約した思い出のレストランへディナーに向かいました。レストランでは食前酒→前菜→パスタ→メイン→デザートと、全部コンセプトの違う席に移動して食べる初めての形式でした。付き合って1年の記念日をふたりで祝うつもりで訪れた店でしたが、実は彼が店員さんと事前にこっそり打ち合わせをして何から何まで仕込んでプロポーズする為に用意されたお店となっていたのです。サンセットの時間の前菜はテラス席、日が暮れて夜景が綺麗になったらビルの上の階のBARへ移動など常に最高のシチュエーションで食事をしました。

 途中、移動した先のテーブルには一冊の本が置かれていていました。「なんだろう?」と疑問に思って開くと、それは1年記念日を祝う彼からの手作りアルバムのプレゼントでした。1年間撮りためた写真にひとつひとつ手書きの挿絵と写真にまつわるエピソードが書かれていて、時間をかけて作ってくれたのが一目瞭然でした。同棲していた為アルバムの存在に気づかれないように、会社の休み時間を利用したり、私が寝た後にこっそりと時間をかけて何カ月も前から用意してくれていたそうです。

 最後にデザートを食べる場所へ移動すると、目の前には本棚が。「どこで食べるのだろう?」と思っていると、一冊の本を押すように指示があり、その通りにすると……。なんと本棚の奥に隠し部屋が! 素敵な個室でのデザートタイムが始まりました。料理は最初から最後まで蓋がついた状態で提供されていた為、デザートだと言われて蓋を開けて中を見た時は言葉が出ませんでした。ウエイターさんが運んできた最後の皿には、こっそり用意してくれていた婚約指輪が乗っていたのです。「結婚してください」と言われ大泣きしながらも「よろしくお願いします」と答えた頃、また新たな皿が運ばれてきました。「今度はデザートかな」とワクワクして蓋を開けると、今度はずっと欲しがっていた念願の時計が出てきました。「いつか欲しいんだ~」と何気なく話した私の言葉を覚えていてくれ、プロポーズする時には婚約指輪と一緒にプレゼントしようと前々から考えてくれていたそうです。彼の気持ちに涙が止まりませんでした。サプライズ続きで本当のデザートが出てきた時には、今度こそは本当に食べられるのかと疑ったほどです。

 プロポーズの余韻に浸りつつ途中プレゼントされたお手製のアルバムを読み返しているとある事に気付きました。コメントは頭文字を繋げて読むと隠れた文章が浮かび上がるようになっていて、「一生一緒にいてください。必ず俺が幸せにしてみせます。」と読む事ができました! 彼のこだわりに胸が熱くなり、感動しているところに「このアルバムにはもう一枚ページがあるんだよ」と手渡されたのはこのアルバムの最後の1ページ。そこにはプロポーズされて泣いて喜ぶ私と横で微笑んでいる彼の撮ったばかりの写真に「結婚してください!」のコメントがありました。一生分のサプライズを一気に受けたような思いでした。帰り際、ビルの外を見下ろすと、なんと店員さんが「congratulations!」の大きな旗を振ってくれています。お店総出で祝ってくださったのが伝わり、こんなに幸せなプロポーズを受けたこと、素敵な彼とこれから一生一緒にいられることで胸がいっぱいになり、人生で最高の1日となりました。

きぬちゃんさん (20代・女性)

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