人質になった私、救ってくれたのは勇気を持った彼でした。

全国転勤の時に出会った彼は、勤務地は他県でしたが、バリバリ仕事をこなし尊敬する先輩でした。私はその後退職し、彼は異動になり、同じ関東で再会したことがきっかけでお付き合いが始まりました。

 プロポーズは、川崎の大規模なハロウィンパーティの時。ずっと行ってみたく、彼を誘いました。仮装のテーマは、大好きな少年漫画『ONE PIECE』の海賊のキャラクター!! 「プロの人が撮影してくれるイベントがあって、チケットもゲットしておいたよ!」と手渡されたチケットを疑う事なく受け取り、ちょっと恥ずかしいけれど楽しみな気持ちにあふれていました。そして、撮影受付へ行き、スタッフのお兄さんに案内されたのはチャペル。既に同じ漫画の衣装を着た男性ふたりが背を向けて立っており「やっぱりこの漫画は人気なんだね!」なんて会話をしていたら、突然男性ふたりが高笑いを始めました。「まんまと罠にかかったな!」と武器を向けられ、彼も戦い出し、なんと寸劇が始まったのです。そして私は、どうしたら良いか分からず硬直しているうちに人質に取られてしまいました。男性が彼に「離して欲しければ、お前の勇気を見せろ!」と啖呵を切り、その後去って行きました。

 彼と私ふたり残された教会で、彼は照れながら「これからも、こうやって楽しい事したいし、一生添い遂げたいです」とプロポーズの言葉を伝えてくれました。そして、鞄から指輪の箱を出し、片膝をつき「結婚してください!」と言ってくれました。直ぐに頷き、指輪をはめてもらいました。その後、教会の外に出ると、先程寸劇をしていた男性ふたりが待っていました。よく見ると、ひとりは前職の先輩!! かつ彼の同期でした。その先輩からプロポーズにOKを出したか聞かれ「はい!」と答えると……「流石です! お礼の品に、捕らえていたチョッパーをお返しします!」と頭を下げ、同じく『ONE PIECE』のキャラクターであるトニー・チョッパーの帽子を被った人を連れて来ました。その人の顔を見た途端に大号泣。私の高校時代からの大親友だったんです。お腹には8ヶ月の子供がいる中で、旦那さんと一緒にこのプロポーズに参加してくれたのでした。その後、このプロポーズに関わってくれた人みんなで集合写真を撮り、幸せな時間を過ごしました。

 荷物をまとめて外に出た時に「ありがとうございました!」と頭を下げるスタッフさん。このスタッフさんこそ、寸劇をしてくれたもうひとりの男性だったのです。その事実に一番驚き、思わず笑ってしまいました!

 そして最後に、プロポーズの瞬間も記念撮影の時間も、全てビデオで録画されていたんです。こんなにも大切な時間を、何度も見直せる事に喜びを感じずにはいられませんでした!! まだ入籍さえしていませんが、結婚記念日にはこの映像をふたりで見ながら、思い出話にふけられたらなぁ……と密かにワクワクしています! サプライズ企画から、嘘のチケット作成までしてくれた彼と、これからも一生サプライズや笑いの絶えない家庭を築き上げていきたいと思います!

くっきーちゃんさん (20代・女性)

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