人生で最も幸せな、最初で最後の嘘。

留学中に知り合い、お付き合いをしていたカナダ人の彼。私の帰国後はカナダと日本とで遠距離恋愛をしていました。彼は私の帰国後すぐに日本に来たことがあり、その時に私の家族とも仲良くなっていました。

 そんな彼がまたカナダから日本に来る日の前日のことです。妹から「私が働いているホテルのレストランへディナーに行こう」と両親とともに誘われました。ホテルに着くとまだスーツ姿の妹が待っていて「私は仕事がまだ残ってるから先に案内するね」と言います。しかし案内された先はチャペルの扉の前。「???」と混乱していると扉が開かれ、チャペルの奥には108本の真っ赤なバラの花束を抱えた彼が立っていました。まだカナダにいるはずの彼が、目の前にいるなんて思いもしなかったので驚きで状況を飲み込むまで数秒かかりました。状況が理解できてからは涙が止まりませんでした。彼は「日本に来る日を嘘ついてごめんね。でもこれが僕が君につく最初で最後の嘘だからね」と。そして気持ちを一通り話してくれた後、片膝をつき指輪を見せながら「結婚してくれる?(Will you marry me ?)」とプロポーズしてくれました。

 その後、そのままホテルのレストランでディナー。これは両親と妹がお祝いに用意してくれていました。(彼はプロポーズが成功してホッとし、私はサプライズで気持ちがいっぱいすぎてふたりともせっかくのディナーをあまり食べられませんでした(笑)。妹がムービーを撮ってくれていたので、今でもたまに見て、人生で最幸の瞬間の気持ちを思い出しています。

えむカロさん (20代・女性)

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