幸せと寂しさに泣いた夜。涙を止めた彼の素敵な言葉。

彼は仕事の都合上1年の半分以上は海外出張のため、半年ごとに2ヶ月ほど会えるような遠距離状態のお付き合いで4年が経った頃。帰国に合わせて夏休みをとり、関西へ旅行に行きました。ゆっくり数日かけて三重から京都へドライブするプランで、久々にふたりきりで過ごせる旅。なんとなくプロポーズをほのめかすような彼の言動にほのかな期待を抱いていましたが、特に何事もなく舞台は最終日前夜へ。京都で共通の友人と落ち合い夜ご飯を共にした後、ふたりではしご酒! そして、旅館まで鴨川を散歩しながら帰ることになりました。深夜0時くらい。夏の終わり、川のせせらぎと三味線の音が聞こえる京都らしい夜でした。

 彼とはもともと学生時代の同級生。お互いの存在を知ったのは社会人になってからで、友人期間を数年経ての交際でした。彼のお仕事はとても特殊で、いつも危険と隣り合わせ。離れている時は連絡もままならず、不安になりながらも信じて待つ日々。一緒に過ごせる時は本当に幸せです。ですが、また2ヶ月したら離れ離れになると思うと、一緒にいる時もふと寂しさがこみ上げることもありました。

 彼と手をつないで鴨川を歩いていると、この旅行の楽しかった思い出とともに「次にこうやって歩けるのはいつなんだろう」と、悲しい気持ちに……。そして、お酒の力もあって涙が……。彼は私の少し前を歩いてたわいもない話をしていたのですが、私の変化に気づいてびっくり。なんとか誤魔化そうとしましたが、正直に寂しくなってしまったこと、生きて帰ってくるか心配になってしまったことを伝えました。すると彼は笑いながら、旅行後のデートプランについて尋ねてきたのです。翌週は友人の結婚式のため、ふたりでゆっくり過ごせるのは2週間後。まだデートプランは立てていませんでした。

 彼「どこ行きたいー?」
 私「分かんないー」(まだ泣いている)
 彼「そっか。じゃあ、婚約指輪買いに行こうか」

 さらっと放った彼の言葉を、すぐに理解できなかった私。少し間をおいて、びっくり仰天! 「え!?」としか言えず、涙も歩みも止まりました。彼は「どこのブランドがいいのー?ふたりで選ばなくちゃね」とにこにこ笑顔。

 もともとこの休暇の間にプロポーズするつもりでいてくれたようで、半年間仕事の合間にどんな場所でいうか考えていたとのこと。これから先、時代の変化に流されてなくならない場所で! と今回の旅行先で私が散策するのが好きな鴨川を選んでくれたようです。今はまた遠距離の最中ですが、その後無事にいただいた婚約指輪をお守りに、あと数ヶ月彼を待っているところです。

403さん (20代・女性)

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