ふたりのようになりたい。贈り物は尊敬する父と母の宝物。

遠距離恋愛を2年ほど続け、彼から「今年の年越しは一緒に過ごそう!」と提案されました。お互いいつか結婚したいとは思っていましたが、お金に余裕もないので「婚約指輪はいらない」と伝えていました。そのため、どこかこのままズルズルいくんだろうと思っていたのです。

 年越しをコタツの中で一緒に祝い、そろそろ寝ようかと照明を薄暗くした時、彼が「あ、そういえば美波のお母さんから預かっていたものがある」と言って、小さな箱を出してきました。お母さんといつの間に会っていたんだということにも驚きましたが、その箱を開けた瞬間、もっと驚きました。それは、いつも冗談で「頂戴!」とおねだりしてもなかなかくれなかった母の宝物であり、父が母へプロポーズする際に「おじいちゃん、おばあちゃんになっても一緒に笑っていたい」と言って贈った婚約指輪だったからです。そして彼は「おじいちゃん、おばあちゃんになっても一緒に笑っていたい。結婚して下さい」と恥ずかしそうに伝えてくれました。いつか父と母の様な夫婦になりたいと思っていた私にとって、その言葉は他のどの言葉よりも感動的でした。

 指輪は父と母が、プロポーズをすると報告した彼に、こっそり渡してくれていたのだそうです。しかし、一言も父のプロポーズの言葉は教えていないそうです。父と母が、私の幸せを願い、サプライズで彼に引き継いでくれたふたりの宝物に、私は今も支えられています。そして、偶然にも一致したプロポーズの言葉に、きっとこの人とであれば、私も父と母の様な夫婦になって、おじいちゃんおばあちゃんになっても笑い合えるんだろうなと確信しています。

美波さん (20代・女性)

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