もう離れていられない。数千キロの距離を越えた大切な愛。

 当時、彼女は発展途上国で教育関係のボランティアをしていました。彼女の以前からの夢である仕事。僕は日本で忙しい毎日。遠距離恋愛で寂しい気持ちがあったのも事実ですが、不慣れな土地での生活を楽しみ現地の人を助けている彼女に人間としてさらに魅力を感じていました。時差もある中、お互いが睡眠時間を削りつつ、何千キロの距離を埋めていました。

 付き合ってもうすぐ1年。少しずつ結婚を意識している時でした。その時、彼女のいる国で大地震が起こります。この地震で1万人近い人が亡くなりました。一報を知り、すぐにでも彼女のところへ飛んで行きたい! と駆られる思いでした。地震直後はメッセージが1通ずつやり取りでき無事は確認できたものの、すぐに何日間も音信不通。生きた心地のしない数日間でした。しばらくして国際SMSが届き、彼女から衝撃的な一言が。「もうこの関係に耐えられない」音信不通の間、日本で心配で心配で耐えられない日々を過ごしていたのに、彼女にこの気持ちが全く伝わっていなかった......。喪失感に襲われました。

 その日の夜にもう一度連絡をすると、彼女の言葉の意味が明らかに。「地震で本当に苦しい時にそばにいて欲しいのはあなただった」その気持ちを知り、これ以上離れ離れでいられない! と結婚の意思を固めました。プロポーズは彼女の帰国を待ち、長崎の稲佐山の夜景を見ながら「おばあちゃんになっても隣で笑っていてね」と思いを伝えました。特別なことは何もいらない。愛する人の命がいつどうなってもおかしくないことを悟り、大切な人が隣で笑っていることほど、うれしいことは他にないということに気付きました。

じゅんじゅんさん (20代・男性)

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