観覧車の中、曇り窓と涙で景色は見えなかったけれど。
デートの誘いがあったその日は、私が午前中に予定があり、午後から会うことになりました。みなとみらいに行こうと待ち合わせの時間を決めました。みなとみらいは付き合ってから初めてデートした場所で、彼と初めて手をつないで観覧車の中でキスもした思い出の地。そんな場所だったから久しぶりにデートするのが楽しみでした。
彼が乗っている車両に私が途中駅から乗り込み、電車の中で待ち合わせ。そこから一緒に他愛のない話をしながらみなとみらいに向かいました。あいにく雨だったけれど、ショッピングしたり、家具屋で「こんなダイニングテーブルがほしいね」などと話しながら楽しんでいました。夕方になり「そろそろ帰ろうか」ってなった頃、彼が観覧車を見上げて少し黙りました。それから「乗ろっか!」って。私も乗りたかったから即答で「うん!」って答えていました。雨だったから空いていて、スタッフに写真を撮ってもらってから観覧車に乗り込みました。その頃には雨は上がっていたけれど、景色はよくなくて窓が曇っていました。4分の1くらい進んだところで、彼が「実は渡したいものがあるんだ」と言ってカバンをごそごそしだしました。出てきたのは一冊の本。なんだろうと思ってよく見たら「365days」って書かれていて彼と私の写真が飾られています。「アルバム?」と聞きながら受け取り、その本を開けました。中には付き合ってから今までの写真とコメントが書かれていました。懐かしくて、それだけで感動しました。頑張って作ってくれたんだなぁって。最後のページには「結婚しよう!」という言葉とふたりで旅行に行った時の写真があって、その瞬間涙が溢れてきて顔をあげられませんでした。しばらく堪えてると彼が心配そうに顔を覗き込んできて、「結婚しよう」ってプロポーズしてくれました。私はうなずくことしかできなくて、彼に抱きついて泣いていました。その後はなんて答えたのか覚えていません……。
観覧車降りる時は顔は涙でぐちゃぐちゃだっただろうし、その後もぐずぐずしていて「いつまで泣いてるの」とか言われたのですが、本当に幸せな日でした。彼の家に帰ったらご飯が用意されていました。ごはんを食べながら「来年から一緒に住もう」って言われたのにはいきなり過ぎてプロポーズよりもびっくりしたけれど。だからテーブル見てたんだね。プロポーズ本は今でも見ると涙が止まらなくなります。この本と記念に購入した観覧車に乗る前に撮った、彼の顔が緊張で強張ってる写真は大事な大事な宝物。
彼は「カタチに残るプロポーズがしたかった」そうです。
tomokaさん (30代・女性)
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