不機嫌になったのも寂しくなったのも、ぜんぶ彼の作戦!

 地元横浜を離れ、福岡に住んでいた24歳の誕生日。学生の頃から付き合って5年間目、遠距離恋愛中の彼がお誕生日の当日はふたりの地元、横浜みなとみらいで過ごそうと提案してくれました。 普段あまりデートプランを考えてくれるタイプではないので、とてもうれしくて期待していました。

 なにをするかは秘密ねと言われて、ドキドキしていた土曜日、会うとすぐに「アニヴェルセルにいくよ」とブライダルフェアにつれていかれました。「あれ?」と思いながらもフェアにいくと、あれよあれよと結婚式の話をすすめる彼。違和感を感じつつ、夜になり、どうやらお店も予約はしていない様子。せっかくだからとアニヴェルセルカフェで夜ご飯を終えると、こちらは予約していてくれていたパシフィコホテルに移動。ただホテルについてもプレゼントはなく、「あれ? 明日の夜には私福岡戻っちゃうのにな」とだんだん不満が募り始める私。「もう5年も付き合ってるからプレゼントはないのかな?」とか考えている私とは裏腹に、お昼に見た式場の話でテンションがあがってる彼。素敵な結婚式場を見られて私もうれしい反面「プロポーズもされていないし、結婚ってこんな風に決まっていくのかな? 私の誕生日に関しては、お祝いはなしなのかな? そういえば今年は友だちからお祝いのメッセージも全然こないし、みんな私が福岡にいったから忘れちゃったのかな......」なんてさみしい気持ちを抱きながら「まあ明日の日曜日もあるし」とその日は眠りにつきました。

 次の日の朝、「ホテルの朝食じゃなくて、赤レンガまでパンケーキを食べに行こう」と彼が言い出しました。「外は寒いからホテルで食べようよ」と言っても聞かず、結局赤レンガまで歩き、1時間ほど並んでパンケーキを食べました。朝ごはんを終えてホテルへ帰る道中、「今日これからの予定は?」と聞くと「特にないよ、どうしよっか! どこかいきたいところある?」と彼。そこで、私の不満が爆発。誕生日をお祝いしてもらえなかったこと、プロポーズもなく結婚が進んででいきそうなこと、友だちからも誕生日おめでとうのメッセージがないこと。いろいろ悲しくなってきて、かなり不機嫌な気持ちでホテルの部屋に戻ってくると、部屋の前でインターフォンを押す彼。「入るよ?」なんて確認されながら、お部屋に入る彼を不思議に思いながらついていくと、さっきまでいた私たちの部屋がバルーンや折り紙で装飾されていました。「なんでお部屋が飾られてるの?」と驚いていると、急に音楽が流れだしました。音にびっくりしていると私の友だちがベッド、カーテン、クローゼットあらゆるところから飛び出してきて踊りはじめました。

 そうです、彼がサプライズで私の友だちにお願いしてフラッシュモブをしてくれたのです。友だちはそれを知っていて、私にわざと誕生日メッセージを送らずにさみしがるようにしていたそうです。彼は私の友だちと、もともと知り合いではありません。繋がってるはずがない友人に彼がSNSで連絡をとり計画してくれているとは夢にも思わず......。そんなうちに「楽しい家族にしようね、結婚してください」とプロポーズの言葉をもらってびっくりしてうれしくて私は泣いてしまいました。もちろん返事は「Yes」です。当日の様子は、友人がビデオも回してくれていたので、いまでもたまに見返してる大切な思い出になりました。

りこさん (20代・女性)

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