生まれてきてくれて、一緒にいてくれて、ありがとう。

「今日が何の日か、知ってる?」僕が何かサプライズすると、いつもとびきりの笑顔で喜んでくれた彼女。この無邪気な笑顔を、この先もずっとそばで見ていたい。せっかく一生に一度のプロポーズをするなら、思い切り驚かせちゃおうと、どんな内容にするのか、ずっと考え続けていました。

 すると、ある日偶然、約半年後に彼女が生誕10,000日目を迎えることに気づきました。やるならこの日しかない! 場所は、彼女の大好きな東京ディズニーランドのシンデレラ城。タイミングは、その当時始まったばかりの『ワンス・アポン・ア・タイム』が終わった直後。ひとつアイデアが閃き出すと、どんどんサプライズの構想が広がっていきます。当日までに、ミラコスタのスイートルームや1日1組限定のディナープランを予約したり、花束やケーキを用意したりと、できる限りの準備をしました。もちろん、彼女にはすべてサプライズで。

 そして当日の夜。ワンスアポンアタイムを初めて見た彼女は感動していました。一方の僕は、これから行うプロポーズを前に、どんどん高まる胸の鼓動。果たして、受け入れてくれるかな......。「ちょっと余韻に浸ろう」と、勇気を出して、彼女の手を引きシンデレラ城の方へ。人混みの少ないシンデレラ城のスロープのところまで来て、歩を止めました。僕は振り返って、冒頭の質問をします。いつものようにちょっと困った顔をして、首を傾げる彼女。僕は緊張で声が震えながらも、ゆっくりと言葉を選んで言いました。「今日は、君が生まれてから、ちょうど10,000日目なんだよ。10,000日前の今日、生まれてきてくれて、そして今こうして一緒にいてくれて、ありがとう。これからも、ずっと君の笑顔をそばで見ていたい。一生、幸せにするから......、僕と、結婚してください」そう言うと、胸ポケットに忍ばせていたティファニーの箱を取り出して開きました。驚きで大きく見開いた彼女の目が、涙で潤んでいくその表情を、僕は生涯忘れることはないでしょう。

 それから約2年後の今秋、僕らは結婚式を挙げます。偶然のように決めたはずの結婚の日取りが、実は何の日なのか、まだ妻は知りません。

えくぼちゃんさん (20代・男性)

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