憧れの大好きな人からの……、は叶わなかったけれど、幸せ。
付き合って2年。一緒に住むことになり、28歳になっていた私は、「一緒に住むなら2年以内に結婚をするか、しないなら別れる決断をしよう」と持ちかけました。そのくらい私は焦っていたし彼と一緒になりたかったのです。そして、もし結婚するなら「私はプロポーズをされたい」とお願いをしました。やはりプロポーズは、女性にとっては小さい頃から漫画やドラマ、映画などの影響で憧れるもので、私もそのひとりでした。彼は普段から着飾ったデートをしたりムードのあるデートとかするような人ではなかった(誕生日もラーメン二郎……)ので、せめて結婚を決めた時くらいはきちんとしたレストランを予約してきちんとプロポーズをしてほしかったのです。そうしたら彼は快諾してくれました。
あと数ヶ月で2年が経とうとした私の誕生日。関係もとても良好で私の結婚願望も日増しに強くなっていました。「今日はきっとプロポーズがあるに違いない」と確信していた私はとてもドキドキしていました。彼は誕生日に私が大好きな行きつけのバーに連れて行ってくれました。たわいのない話をしてまだかまだかと待っていたら気付けば時間は夜0時前……、私の誕生日が終わろうとしていました。「これは、もしや何もないのかもしれない」「いや、でももしかしたら誕生日が終わる直前になるのかも」といろいろ考えながらそわそわしていたらもう日付が変わる10分前。一向にそんなそぶりを見せず、マスターと楽しく話している彼。焦りと怒りにも似た感情を抑えつつ、私は決断しました。「女性としての夢をこの人に求めてはいけなかった。そんな人を私は選んでしまったのだ……」と、諦めと確かな決意を胸に、「結婚しよっか」彼の耳元でささやきました。彼はとても驚いた顔して(そんな驚きを私がしたかったのに……!!)、照れながらも「ぼくでよければ」と答えました(私がそんな答えを言いたかったのに……!!)。うれしさとほっとした反面、何か不完全燃焼な引っかかりがありましたが、お店のマスターがお祝いにとシャンパンを開けてくれて、そこにいたお客さんたちにもお祝いをされてとても幸せな1日でした。
小さな頃から憧れていた大好きな人からのプロポーズ。もう叶うことはないけど彼と一生いれるなら、ま、いっか。
よさん (20代・女性)
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