うれしくて泣いて、笑って、叫んで、幸せの絶頂。
サプライズが下手な彼とはすでに交際6年以上。3年前からは遠距離恋愛中で、もうそろそろかな、なんて思いつつもなかなかプロポーズされない日々。
「私との未来は見てないのかな......」なんて考えながら迎えた誕生日。申年ということもあり、大分県の高崎山自然動物園に行くことにしました。開園と同時に中へ。ところが、こちらは野生のお猿さんに餌付けしているので、残念ながらまだ下山しておらず「入園しても会えないと思いますよ」と飼育員さん。そのため、周囲の方は下山のアナウンスがあるまでは待機しようと入園しませんでした。しかし私たちはせっかく来たからと、ととりあえず中に入ることに。すると入園ゲートに近づくにつれ、お猿さんの声が。「きっと歓迎の歌を歌ってくれてるんだ!!」と言いながら入園ゲートに到着。その時のお猿さんの数は5匹でした。お猿さんに会うためには少し山を登ります。登るにつれ「あれ? お猿さん多くない?」と感じはじめます。お猿さんの寄せ場に到着した時には、なんと700匹以上の群れがお出迎え。エサやり体験もでき「今日はいい日になる!!」と確信したのです。
その後、宿泊先の別府温泉の杉乃井ホテルへ到着し、何事もなく時間が過ぎてゆきます。こうして一緒に過ごすことが出来るだけで幸せだと思いました。夕食後、部屋でのんびりしていると部屋のチャイムが。勘の鋭い私は残念なことに「あ、ケーキかも」と勘付いてしまい......、それでも最高にうれしかったです。その後、水着に着替え、さぁ、プールへ!!と意気込んだ時、「話があるからここに座って」と窓辺の椅子を指差す彼。嫌がる理由もないので座りました。海側の部屋だったこともあり、夜景が非常にきれいでした。彼も座り、私に手紙を差し出しました。そこには、今までの出来事や日頃の思いなど、不器用な彼なりの素直な文が綴られていて自然と涙が溢れてきました。メールではなく直筆だったということもあり、うれしくてたまらなかったのです。
しかしその手紙にはいつもと変わらず「これからもよろしくね」という言葉。内心、あぁプロポーズはやっぱりまだ先かと思いながら「プール行こっか」と言いました。そうすると「まだ続きがある」と彼。そこから私の脳内はフリーズ。いざこんな状況になると何も考えられなくなるんですね。暖房の音も聞こえなければ、呼吸することさえも忘れるような緊張感......。「聞いてほしい想いがある。今までの6年以上の月日をこんな俺と一緒に過ごしてくれてありがとう。高校を卒業して遠距離になり、仕事柄連絡もまともにとれずたくさん迷惑と心配をかけてきたね。今の俺があるのは○○と○○の家族がいたから、支えてくれたからだって心から思ってる。今までたくさん傷つけて喧嘩だってして来たけど、それも今に繋がってるんだって思うよ。本当に○○には感謝しているよ。出会ってくれたことも、俺の気持ちを受け入れて付き合ってくれたことも、今も変わらず想ってくれてることも、支えてくれていることも全部全部感謝してる。いつも本当にありがとう。これからたくさんの壁にぶつかって、時には喧嘩もするかもしれない。だけどどんな時も○○を愛する気持ちは変わらないし、絶対誰よりも想っているし、幸せにする自信がある。これからも俺のそばにいてほしい。そして何より○○のそばにいたい。一生幸せにするから、だから俺と結婚してください」と言われ、私は号泣。
「もし、返事がオッケーならこれを受け取って」と渡された紙袋。普通のプロポーズだと婚約指輪のところですが、すでにペアリングをつけていたこともあり「もしものもしも、プロポーズする日が来た時は婚約指輪は要らないよ!」と伝えていたので......。それにしてもこれはなんだ? と疑問に思いながら中を開けるとキーケースでした。欲しかったけど手が出せなかったキーケース。これから一緒に過ごしていく上で鍵は増えていくだろうからと、将来を見越してのキーケースでした。うれしいし、キーケースも可愛いし、彼が愛おしいし。泣いてる私の頭を撫でてくれる手の温もりに、何度この温かさに救われたことかとつくづく思いました。そして「これだけじゃないんだよね。これも受け取ってほしい。」と封筒を渡されたのです。「え?もしかして......。いや、まさか!」彼がそんなことできるはずがないし、頭にも浮かばないはずです......。でも期待しちゃうな......、なんて考えながら封をあけると、まさかの婚姻届!! 思わず叫んでしまいました。うれしくてうれしくてたまらなかったです。
思い返してみれば高崎山のお猿さんもこうなることを予測していたから一足先にお祝いしてくれたのだと思い、私のいろいろなボルテージがMAXに。しかし、あることに気づきました。それは婚姻届の彼が記入する欄に何も書かれてないことです(笑)。「これって、誰と結婚する時にでも使っていいってことよねぇ?」と少し意地悪を言ったら、「アァァァア」と彼の叫び声。彼以外と結婚するつもりなんて全くありませんが。そんな抜けてるとこも愛嬌。今後もこんな事があるんだろうな......と、幸せの絶頂にいながらぼんやりと考えたプロポーズでした! その後、プールにも入ってぐっすり寝ました......、幸せ。
ponponさん (20代・女性)
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